この数年、バンコクの街中で目にする機会が増えた、韓国やタイの推し俳優・アイドルの誕生日を祝う広告。
その起源は、K-popアーティストの新曲リリース(カムバック)記念や誕生日に、ファンがお金を集めて広告を出しお祝いするK-popカルチャー。
バンコクでは、MBKなど商業施設の電光掲示板、ビル、駅(BTS・MRT)構内など、さまざまな場所に広告を掲載し、ファン同士で集まって写真を撮ったり、その写真をSNSに投稿し、楽しんでいます。
その中でもコロナ以降、注目されているのがトゥクトゥク広告。この記事では今、トゥクトゥク広告が人気の理由と、広告掲載方法について紹介します。
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バンコクの街中の広告と値段
それぞれの広告の値段は、場所や期間により大きく異なります。
BTSの車体ラッピング広告は設置費用なども含めると100万B前後。バイヨークスカイタワーなど、目立つビルへの広告も100万B前後かかることが多いようです。
バンコクの駅構内・バス・トゥクトゥクなどの広告の値段(2019年)タイ語
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駅構内のライトボックスは、駅により異なりますが、小さなもの(ポスターサイズ)で月数万B〜。有名どころからマイナーな俳優・アイドル、時には個人の誕生日広告によく利用されます。コロナ以前の週末は、MRTサムヤーン駅、フアランポーン駅、スクンビット駅などで、広告と撮影しているファンをよく見かけました。
今、敢えてトゥクトゥク広告が選ばれる理由
これまではドライバーと直接交渉する必要がありましたが、トゥクトゥクへ広告をコーディネートするサービスがいくつか出てきたことで、インターファン(海外ファン)も気軽に利用できるようになりました。
今、トゥクトゥク広告の利用が増えている主な理由はこちら。
・広告費が安い
トゥクトゥク広告は、駅構内やビルへの広告と比べると桁違いにリーズナブル。一般的な広告料はサイズや走行エリアにより異なるものの、1台1ヶ月、数百〜1500Bほど。駅のライトボックスタイプの広告と同じ予算で、何十台もトゥクトゥクに広告を掲載することができます。(たくさんトゥクトゥクが並べば、タイらしい映え写真も撮れますね!)
・学生デモの影響
新型コロナ以降、広告出稿を控える企業が多くなり、駅(BTS・MRT)では有名人の広告の存在感が、コロナ以前よりも増していました。その雰囲気が変わったのは、学生の政府抗議デモ活動が活発化し始めた2020年の後半あたり。BTSがデモの際に、学生ではなく、政府寄りの対応をしたことから、その多くが学生側の立場でもあるK-popやタイ俳優・アイドルのファンたちは、BTS・MRTに広告代を支払う代わりに、トゥクトゥク運転手にお金が支払われるトゥクトゥク広告に注目を始めました。
・トゥクトゥク運転手の手助けに
新型コロナ感染拡大の影響で海外からの観光客がほぼいなくなった現在、運転手の収入は限りなくゼロに近い状態に。田舎に帰った運転手も多く、バンコクに残ってた運転手たちも食費を稼ぐのも厳しい状態。そんな中、広告代はわずかな額ではあるものの、なかなか先が見えないトゥクトゥク運転手たちにとって、貴重な収入源になっています。
トゥクトゥク広告サービス「Tuk Up」
今回は、トゥクトゥク広告のコーディネートをするサービス「Tuk Up」を紹介します。
「Tuk Up」は、カセサート大学獣医学部の3年生のTodさん(Thitipong Lohawech さん)とその友人が始めたサービス。Todさんの実家は、運転手たちにトゥクトゥクを貸すトゥクトゥク・ガレージを営んでいます。
コロナ以降、収入が途絶えたトゥクトゥクの運転手を助けるために車体を無料で貸したり、燃料代をサポートすることで、運転手たちはなんとか持ちこたえているという、かなり厳しい状態が続いています。
そんな中、2021年2月に、Todさんは乗客とトゥクトゥク運転手の両方を支援するために、低価格でトゥクトゥクを利用できるサービス「30 THB: Central Ladprao to Bangbua」を開始。(*MRTラップラオ駅近く〜カセサート大学付近)その翌月、トゥクトゥクの車体に広告バナーを付けるサービス「Tuk Up」を始めました。
「Tuk Up」では、広告の手配だけでなく、広告を掲載したトゥクトゥクの写真や動画を撮るなど、ケアも充実していることから、タイに来ることができない海外ファン(インターファン)にも多く利用されるように。
現在はバンコクの広域で300台ほどの運転手と提携しています。
Tuk Upのサービス内容と利用方法、お値段
サービス内容と値段は以下の通り。
まず、広告を出す際に、広告の種類(側面・背面など)と、トゥクトゥクの走行エリアを選びます。
広告の種類
バナーをつけることができるのは車体の後方部、もしくは両サイド。
走行エリア
サイアム周辺、Icon Siam、スクンビット、アソーク、ジャルングルン、ファランポーンなど、バンコクの23箇所のエリアにいるトゥクトゥクと提携。
一部の区間(指定エリア*)では、値段がUPします。
*指定エリア:チュラ、MBK、サイアム、Central World
一般エリア | 指定エリア | |
側面2箇所(+印刷) | 500 | 600 |
側面2箇所(持ち込み) | 300 | 400 |
背面1箇所(+印刷) | 1000 | 1200 |
背面1箇所(持ち込み) | 800 | 1000 |
以下のサービスも料金に含まれています。
・広告を設置後の写真と動画
・運転手との連絡の仲介(車体の写真を撮ったり、乗りたい場合などに)
デザイン代【追記 2021.10.10】
デザイン代は仕上がりデータを入稿する場合、無料。(バナー費のみ)
デザインを依頼する場合、デザイン費用は以下の通り。
バックサイド | 300 |
両サイド | 300 |
バックサイド+両サイド | 600 |
デザインに必要なデータを送った後は、3日以内にラフデザインが送られてきます。そこから3回まで修正・調整が可能。それ以降は、変更ごとに50THBがかかります。
(BKPPの広告を付けたトゥクトゥクの様子)
海外から利用する場合
タイ現地にいない、インターファンが気になるポイントを直接確認してみました。
・海外からの支払い方法は?
Paypal(手数料は顧客負担)または、タイの銀行口座への振り込みになります。
・申し込みはいつまでに?
できる限り早く。1−2ヶ月前には予約することをお勧めします。
総額の50%を前払いいただいた時点で、予約が完了となります。
(追記)→ 送金手数料が2度かかります。現在、海外からの利用者には振込1回で対応してくれているようです。
・ミニマムオーダーの金額や台数はありますか?
ありません。
Tuk Up 連絡先
質問や申し込みは、LINEなどで直接Tuk Upまで連絡をしてください。
英語でスムーズなやりとりが可能ですよ。
TUKTUK広告、利用者の声(体験談)【追記 2021.10.10】
本記事でTuk Upを知り、実際に利用されたという方に、体験談を教えていただきました。
お話を伺ったのは、ぽんTeeさん(Twitterアカウント @ponpon_Thailand)。Tuk Upの方は、国外からの利用者のために、色々と先回りして提案してくれたそう。
・通常(タイ国内から)は頭金を支払う必要があり、支払い回数は2回になります。ただ、今回は海外からの送金手数料の負担を減らすために、1回にまとめて払うことに(Paypalを利用) ・日本語フォント対応可能(フォントも選べた) ・バックバナーだけも可能。フル(バックバナーと両サイド)は1500B/1台(1ヶ月)。 *Siam Paragon, Chula, MBK, and Centralworld はプラス300B。 ・地理感がないのでオススメルートを伺ったところ、GMMのビルも近いAsokルートを提案して頂いた ・細やかな相談が可能で、安心してお任せできた |
デザインに関する注意点・体験談 【Tuk upにデザインをお任せした場合】 通常は下記(①〜③)の情報から、Tuk upのデザイナーがラフ案を制作 ①バナーのテーマ、スタイル、色のトーン ②文字、メッセージ、その他、バナーに掲載したい情報 ③参照デザインなど、あれば タイの文化・習慣上から見ても間違いのないデザインにする為に、親身に相談に乗ってくれたようです。(心強い!) 【バナーデザイン全般の注意点】 ・写真は高画質なものが必要。Googleドライブに入れてお渡し ・著作権に注意。使用許可を貰った写真を利用するように(多くの場合、撮影者に帰属) ・拾い画像は著作権的にNGですが、画質的にも難しいです |
その他、デザイン代詳細などの追記部分も、今回利用された際の情報を参考にさせて頂きました。ありがとうございます!
利用されたのは、こちらの企画。(IG Link)
GMMビルのあるAsoke通り周辺のTuktukに、Krist Perawatのお誕生日広告を出されています。(2021年11月7日まで)今回は、「タイのFCさんにお願いしてお写真をお借りできました🧡」とのこと。
今回のバックバナーは新サイズとなり、通常より一回り大きいもの。バックバナー100x45cm、両サイドバナー100x20cmと50x20cmで、1台1700THBとなります。
最後に
本記事は広告記事ではありません。ただ、もしこの記事が間接的に少しでもトゥクトゥク運転手さんたちやローカルコミュニティーの助けになれば、私も嬉しいです。